2014年 08月 30日
鈴虫の音が聴こえる晩に。
「虫のお知らせ」
作・おのりえん 絵・秋山あゆ子 理論社
都会から田舎に引っ越してきたよりさん一家。
そこで出会った虫や人との不思議な交流をニ十四節季の「芒種」から「白露」まで描いています。
ナメクジに長崎アゲハ、コウガイビル、オオマリコケムシ…と知ってるけれど詳しくは知らなかった虫、初めて聞く虫…こんな生き物だったんだ!とびっくりすることだらけでおもしろく読めました。
正直、虫は苦手。
毛虫とかホントダメ。
小さいものでもビクッ!!となって怖くて近寄れない…だから主人公のよりさんが苦手だけど、ちゃんと調べて観察したりするところがすごいなと感心しました。
でも私も小さい頃は平気だったのかもしれない。
よりさんの子どもたちがアゲハの幼虫を大事に育てている様子にふと自分の子どもの頃を思い出しました。
アゲハの幼虫は育てたことはなかったけれど、カブトムシを飼ったり、トンボを捕まえることに夢中になったり、蟻を観察したり…子どもの頃はなにかしら虫に関わっていたのに、大人になるにつれていつの間にか触ることすらできなくなってしまったものたちもいて…なんだか寂しい気持ちになったりもしました。
子どもの頃に触れ合ったであろう虫たちとの交流を、よりさんの気持ちを通して少しでも思い出せた気がしました。
あと、挿絵の美しさ!
秋山さんの描く虫たちの繊細さ、美しさにどんなに虫が苦手でもついつい見入ってしまいます。
秋山さんの本、「こんちゅう稼業」読んでみたいなぁ!
あとこのお話、「虫のいどころ人のいどころ」という前作の続編にあたるそうで、そちらの方も読んでみたいと思っています!
家の外で鈴虫の音が聴こえてきたようで…もう秋なのですね。
by kaerunootyakai
| 2014-08-30 20:42